再生美容でアンチエイジング!幹細胞美容の可能性について

歳を重ねるにつれて気になってくるしわやたるみ、ほうれい線、肌の乾燥やハリつやを改善するべく、エイジングケアを試している方も少なくないでしょう。
今回は「再生医療」の観点やコロナ治療にも有効かと言われ、研究がすすめられている「幹細胞」の美容への可能性について紹介いたします。

幹細胞って何?

幹細胞とは、厚生労働省のヒト幹細胞の定義によれば、以下の特徴を併せ持った細胞のこととしています。

多分化能力

異なる系列の細胞に分化する能力のことです。
皮膚や赤血球や血小板など、私たちの身体をつくる様々な細胞に変化します。

自己複製能力

自分と同じ能力を持った細胞を複製する能力のことです。
体内に存在するニューロン(生物の脳を構成する神経細胞)、肝細胞(肝臓を構成する細胞)、あるいは筋細胞(生物の筋肉組織を構成する細胞)などの特殊化した細胞に分化します。

また、幹細胞にはいくつかの分類がありますが、厚生労働省医政局長が定める細則に規定しているのは以下の3つです。

体性幹細胞(成体幹細胞)

ヒトの身体の中に存在する幹細胞で、組織や臓器の機能を長期的に維持するために分化し続ける細胞のことです。限られた種類の細胞に分化できますが、分裂回数には限りがあります。
例えば、造血幹細胞、神経幹細胞、間葉系幹細胞などの血や神経や骨、脂肪、筋に変化する細胞が含まれます。

胚性幹細胞(ヒトES細胞)

受精後、5日から7日程経過し、胚盤胞に発生した胚(生命としての初期段階)の1部を取り出し、培養された幹細胞のことを言います。
例えば、神経細胞や血球細胞などの様々な種類の細胞に変化するなどの多能性があり、ほとんど無限に増殖するような高い増殖能力を持っているのが特徴です。この高い増殖能力から、病気や事故で失われた細胞や組織の修復(再生医療)に適応されるような研究がすすんでおり、糖尿病、白血病、パーキンソン病などの疾病への医療応用が期待されています。
しかし、ヒトの受精卵から胚を取り出すことから、倫理的問題が懸念されているのが現状です。

人工多能性幹細胞(IPS細胞)

ヒトの皮膚などの体細胞へ人工的に遺伝子を導入し培養して、多様な細胞に分化する能力を持っている新しい多能性幹細胞のことです。2006年に誕生しました。
胚性幹細胞(ヒトES細胞)は倫理的な問題を孕んでいますが、人工多能性幹細胞(IPS細胞)はそういった問題がクリアされたため、より実用的と言われています。
しかし、遺伝子操作を行うにあたっての安全性(ガン化のリスクなど)はまだ解決に至ってらず、今後の課題となっています。

どんなものが美容に使われているの?

主に以下の3種類があります。

①ヒト幹細胞

主にヒトの皮下脂肪細胞が基になっています。その他にも歯髄、臍帯(へその緒)、骨髄の細胞が基になっている場合もあります。
「再生医療」の研究がすすめられていますが、倫理性や安全性の問題から実用に時間を要しています。
このことから、ヒト幹細胞そのものを化粧品に混入することはないと言われており、実際にはそのヒト幹細胞が培養されていた「培養液」が使用されています。

②動物幹細胞

ヒトの皮膚幹細胞と構造が似ていて、安全性が比較的高い羊の毛根やプラセンタ(胎盤)から採取された幹細胞のことです。プラセンタのサプリなどは動物由来であることが多いですが、人によっては拒絶反応がある場合もあるため注意が必要です。

③植物幹細胞

植物の幹細胞を人工培養で増加させて、抽出したエキスのことです。
主に収穫後4ヶ月経過しても腐らないスイスのリンゴ種から摘出されるリンゴ幹細胞エキスや、雨が降らなくても枯れないモロッコのアルガンツリーから摘出されるアルガン幹細胞エキスなどが挙げられます。
抗酸化作用と保湿力が非常に優れていますが、植物幹細胞エキスのリガンドではヒト細胞自体を活性化することはできず、ヒト幹細胞培養エキスほどの劇的な効果は期待できないようです。

レセプターやリガンドって何?

レセプター

細胞の表面にあるカギ穴のような受容体のことです。リセプターとも呼びます。
外界や体内からの何らかの刺激を受け取り、情報として利用できるように変換する仕組みを持っています。

リガンド

レセプターにピッタリと合うカギのようなもの。ライガンドとも呼びます。
特定の対象物質と結びつく部位は決まっています。
ヒト幹細胞には、リガンドとなる成長因子成分が豊富に含まれます。

ヒト幹細胞の培養液に期待できることは?

ヒトの脂肪由来幹細胞を取り除き、培養したときにできる成分のことです。
幹細胞は細胞自身が分化や分裂をするために「サイトカイン」と呼ばれる様々な種類の生理活性物質(タンパク質)を放出します。このサイトカインは、組織や細胞の機能回復に大いに役立ち、損傷や老化などにより衰えた細胞の回復を手伝うことから、美容分野や整形外科分野の活躍が期待がされています。この他にも培養液に含まれる元々のビタミンや必須アミノ酸などが含まれることもあります。
よって、細胞の活性化を期待でき、皮膚組織のヒアルロン酸やコラーゲンやエラスチン(不溶性のタンパク質)の再生を促進します。

ヒト幹細胞培養液に期待できることは以下の通りです。

  • 抗炎症作用:損傷、炎症の治癒促進や軽減など
  • 血管の再生や血管新生作用:動脈硬化などによる血行の途絶に対して側副血行路の血管新生など
  • 活性酸素の除去作用:疲労回復、生活習慣病予防など
  • 免疫の調整作用:アレルギーの緩和など
  • 神経細胞の修復や再生作用:末梢神経の修復など
  • 美容への作用:組織の修復作用により副次的なシワ、たるみの改善など

この様に、肌悩みの根本からの改善を目指せるため、幹細胞培養液には高いエイジングケア効果が期待できると言えます。

幹細胞でエイジングケアを!

現行で販売されている幹細胞培養液が含有されていると表記された美容液も、含まれている量が全体の1%に満たない場合でも「幹細胞培養液含有」と表記できるため、消費者側が見極める必要がある現状が存在しますが、美容へ期待できる作用は数多くあります。
「再生医療」でも、現段階では研究中の幹細胞ですが、将来的には美容への幹細胞の有効性が期待できそうです。
正しい幹細胞の情報を入手して、効果的なエイジングケアを試してみてはいかがでしょうか。